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北京=斎藤徳彦

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 中国・北京で開かれている全国人民代表大会の開幕式で、李強(リーチアン)首相が発した一言が、子育て中の親らの間で話題を呼んでいる。職業学校よりも普通科高校の定員を増やす方向に方針を転換したとも受け取れる内容だったためだ。

 「高中(高校)段階の学位の供給を拡大する」

 李氏が5日の開幕式の政府活動報告で教育についての今年の方針に触れると、中国のニュースメディアはこの部分を一斉に速報した。

 注目を集めたのは、この言い方が過去数年とは異なっていた点だ。2024年までの5年にわたり、政府活動報告では職業教育に力を入れることが強調されてきた。大卒生の就職難が社会問題になっており、ホワイトカラー(事務系の職業)を目指す層を大きくは増やせない実情がある。普通科高校を指すとみられる「高中」に言及するのは久々だった。

悩みの象徴「五五分流」

 中国全体が豊かになる中で政府が職業教育を重視することは、子育て世代には「制約」と受け止められてきた。学費はまかなうことができるのに、入試の結果次第で普通科高校ではなく職業学校へ振り分けられる生徒も多いためだ。実際は職業学校よりも普通科高校の生徒の方が多いものの、「五五分流(生徒を普通科高校と職業学校へ半分ずつコース分けする)」と呼ばれ、悩みの象徴のようにみられてきた。

 この結果、都市部を中心に高校受験が過熱する。中学校1年から、早朝から深夜まで勉強することが全国的に当然と見なされている。心の不調を訴える子も増えているとされる。

飛び交う臆測、保護者の反応は

 李氏の発言に対して、ネット…

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この記事を書いた人

斎藤徳彦
中国総局長
専門・関心分野
国際経済、中国の経済・政治